シーカヤックを知ろう!
沖縄旅行での人気アクティビティーの1つが透き通るような海の上をツーリングするシーカヤック。そして沖縄にはシーカヤックのツアーを提供しているショップがたくさんあります。ですが、同じシーカヤックのツアーを提供しているショップとして疑問に思うことがあったり、当店のツアーへ来てくれたお客様から失敗談を聞くこともあります。
せっかくの沖縄旅行です。大切な時間を無駄にはしたくないですよね。
今回は実はみんなが勘違いしているシーカヤックについてのブログです。
そもそもシーカヤックってなに?
さて、ここで問題です。シーカヤックとは、
A. 海でカヤックをすること
B. カヤックそのものの名称
どちらでしょうか?
正解は・・・「B. カヤックそのものの名称」です。
シーカヤックとは、船体が細長く直進安定性があり、海上の波・風・潮の影響を受けずらい形をしています。またデッキ部(船体の上部)が覆われ、下半身がすっぽりと入る形状になっていることから「クローズド・デッキ」とも呼ばれています。
その他にも、前後に荷室を入れるハッチがあったり、海上での操作を容易にするラダーと呼ばれる舵取り装置などがついています。
沖縄で起きている勘違い
実は沖縄でシーカヤックツアーに申し込むと、9割以上の確率でシーカヤックではない別のカヤックを使用することになります。そのカヤックは「シットオン・トップ」と呼ばれるカヤックです。
船体は短く幅広で、船体の上に体育座りのような形で座るタイプです。安定性が良い分、水の抵抗は大きいので進みづらく、波・風・潮の影響を受けやすくなります。そのため、シットオントップは波や風、潮の流れのない「静水域」での使用が推奨され、日本では小規模な湖、沖縄ではマングローブが生息している川で使われることが多いカヤックです。
カヤックというアクティビティが沖縄に普及した当初、このあたりの区別はしっかりできていたはずですが、マングローブでカヤックをすることが「マングローブカヤック」となったように、いつからか「海でカヤックをすることがシーカヤック」になってしまったのでしょう。
シットオンで海に出たら危険?
シーカヤックでもシットオントップでも、海でやればそれがシーカヤックとなる沖縄。そして現状9割以上のショップがシットオントップを使って海でツアーをしています。沖縄の海の特徴とシットオントップの特徴を考えた時、どんなメリットやデメリット、危険があるかを考えてみました。
岸に近い場所なら幅広い年齢層で楽しめるメリット
まず沖縄のビーチの多くのエリアがサンゴ礁で出来た天然の防波堤(リーフ)によって守られています。離岸流と呼ばれる沖に強く流される潮流には注意が必要ですが、その日の風向きよっては比較的波や風が弱い場所です。またシットオントップは幅広で安定性が高いことから子供やご年配の方、スポーツはあまり・・・という方でもすぐに乗れるカヤックです。
よって、上記のようなエリアに限定したうえで安定した海況の中で行う分には、カヤックを知るいう体験としてよいものではないかと思います。
安全に遊べるエリアや天候状況が限定的というデメリット
先程のメリットの裏返しですね。
リーフの外には行けないので行けるエリアはかなり限定されます。また波風を避けるエリアから外に行くこともリスクになるためおすすめ出来ません。
沖縄のガイドがよく「ここは風裏だから大丈夫です」なんて言葉を言います。
岸から海に向かって風が吹いている場合で、尚且つその沿岸が山や崖の場合、岸から一定の距離の範囲では風が吹きません。
但しその一定の距離の範囲から海側に出てしまうと急に風が吹き始め、一気に沖へ流されます。実際この距離は計算できるらしいのですが、あくまで計算。実際にその場所に行き、「この向きでこの風の強さならこの範囲は大丈夫」というように経験を蓄積していくしかないのです。しかしながら沖縄のガイドはこの作業を怠る人が多い多い。オーナーが大丈夫って言っているからという理由でツアーをする若いガイドがたくさんいるのが現状です。
これは僕の憶測にすぎませんが、誰かがツアー中に流されたという事故の背景にはこうゆうことがあるんだと思っています。
ちなみに現在ほとんどのショップが海でのツアー中止条件を「風速8m/s」としています。ガイドはもちろん、体力のある人なら何とか大丈夫でしょう。しかし、進めなくなったカヤックをロープで牽引、しかもシットオントップでとなると相当に力のあるガイドでないと不可能です。
恐らく、今沖縄でガイドと名乗っている人たちの半分以上は無理でしょう。
シーカヤックなら大丈夫なのか?
というとそうでもありません。結局は自然を相手にするスポーツです。トレーニングを積むことである程度の対処が出来たとしても無理な時は無理なんです。
ですがシットオントップとシーカヤックのカヤックとしての戦闘力を比較すれば、この無理な時は無理というレベルは高くなるし、言い換えれば快適に遊べる天候・海況の範囲は広くなります。シットオントップしか乗ったことのない人がシーカヤックに乗ると、進むスピードとそれに必要な力の少なさに驚くほどです。冒険をしたい、もっと広い世界を見たいという人にはぴったりの乗り物かもしれません。
ちなみにシーカヤックにも2人乗りがあります。一緒に乗る人は大変かもしれませんがお子さんと一緒でも大丈夫ですよ(笑)
シーカヤックの本当の楽しさを
「漕ぐだけで楽しい!」そう言ってもらえるのも嬉しいです。ですがカヤックはもともと水上を移動する手段として作られた船やカヌーが起源の乗り物です。となると、シーカヤックを使ってどこに行くか、その場所で何をするかが本当の楽しみ方なのかも知れません。
海に囲まれた沖縄。紹介しきれないほどに綺麗で素晴らしい場所がたくさんあります。でもそれらの場所が有名になることはありません。なぜならシーカヤックでしかたどり着けないからです。
そんな場所を紹介できたらと思いHABUASOBIではシーカヤックの1日ツアーやキャンプツアーを開催しています。シーカヤックで冒険したい!と思ったら是非遊びに来てくださいね!
シーカヤック&シュノーケリング
その日のベストな場所を選んで1日かけて遊ぶシーカヤックツアー。平均8㎞のコースを回ります。アウトドアランチ付きで、あたたかい時期にはシュノーケリングも楽しめます。
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