ガイドツアーが絶対安全は嘘
怖い書き出しですよね。
まずこれから旅行に行ってガイドツアーに申し込もうと思っている方に知ってもらいたいことがあります。それは、
「日本では資格を持っていなくともガイドが出来る」
ということです。国家資格でもなければ、〇〇の資格を持ってなければガイドが出来ませんという法律もありません。
ようは、「私、明日からガイドになります!」
といえばなれる職業なのです。
(事業届くらいは出さないといけませんが。)
でも、〇ゃらんとか、〇クティビティ〇ャパンに乗っていれば安心の会社なら安心でしょ?
と思うかもしれませんが、これもそうではありません。
これらOTA(オンライントラベルエージェンシー)サイトは集客代行をして売り上げから手数料を貰っているだけで、掲載しているショップや販売しているツアーの質や内容は特に問いません。よって売り上げてくれるショップであればそれでいいのです。
私はガイドとしてたくさんのショップ・ガイドを見てきました。そんな中でこれはヤバいでしょ。。。というのをこの沖縄の、しかもやんばるというすごく狭い範囲だけでもたくさん見てきました。そんなありえない、信じられない出来事を書いていこうと思います。
①切れそうなウェビングでジップラインをやり続ける有名ショップ
当店でもリバートレッキングとシャワークライミングのツアーで行うジップライン。
そのジップラインをしているショップがもう1社あるのですが、このショップさんが使っているウェビング(木に巻き付けて支点を作る高強度のテープ)がこれ。
「切れかかってます」
ジップラインは滝上10mの場所から滝壺までの約40m間にロープをバチバチに張り、そのロープにカラビナを掛けて滑り降りてきますが、このバチバチに張るロープの支点となる木に使われいるウェビングがこれです。しかも、
マイロンと呼ばれるクライミング専用の高強度の金具。新しいのがついていますが、本来クライミング用の物には安全荷重やLOTナンバーの印字があります。これがないってことはホームセンターなどに売っているクライミング用ではないものの可能性大なのです。(小さいサイズの物は印字がないものもあるので)
仮にこれがクライミング用だったとしても、ジップラインをするにはあまりも許容荷重が小さすぎます。(見る人がみればマイロンの使い方がおかしいのもわかるはず)
ちなみにウェビングの巻き方もラップスリー・プルツーという基本の巻き方があるのですが、巻き方もめちゃくちゃでした。
こんなショップが滝上10mからお客様を飛ばしてると思うとぞっとしますよね。
実はこれ以外にもいろいろあるんです。
②ガイドのヘルメットが逆
ゴールの滝つぼでお客様を引き連れて来たガイドのおでこにヘルメットの調整ダイヤルが見える。
調整ダイヤルは絶対に後頭部側なのです。
ちなみにお客様は全員正しい向きでした(笑)
③ビキニにハーネス
水場で使用するハーネスは濡れた時に重くならないようにあえてクッション材を使っていません。ウェットスーツなどの着用が前提条件としてあるからという理由もあります。
それなのに夏だからと言ってウェットスーツを貸し渋り、ビキニの女の子にハーネスを付けさせてました。もちろん女の子の太もものあたりはすれて赤くなってました。かわいそう。。。
④いつ買ったかわからないライフジャケット
ライフジャケットもただ付ければいいってもんじゃありません。ライフジャケットにも耐用年数というものがあって、メーカーによって異なりますが約3年です。
明らかに色あせしてヨレヨレのライフジャケットが適正な浮力を持っているはずがないのですが、これをゲストに着せて案内しているショップがあります。
⑤工事現場用のヘルメット
ヘルメットはヘルメットなんだけど工事現場用。確かに頭頂部の耐衝撃はクライミング用より上かもしれませんが、横からの衝撃にはかなり弱いです。
沖縄では滝つぼに飛び込んで遊ぶこともあるのですが、ヘルメットに水抜き穴がないとプラギングと言って、ヘルメットが浮き上がるような感じになり顎紐が首を絞める恐れがあります。
実際、このヘルメットで飛び込みさせてるから飛び込んだ後はみんなヘルメットが頭の後ろにずれてました。
どうでしたか?信じられないでしょう?
ちなみに「沖縄 リバートレッキング」とか「沖縄 キャニオニング」とかで検索かけて上位に出てくるショップがあるのですが、①~⑤すべてコンプリートしてます。同じフィールドを使う人間として何回か注意をしているんですが、まったく直る様子はありません。
こういったショップが沖縄には残念ながらたくさんあるのです。
なんでこんなことするか?
利用するお客様はどうせ知らないし気が付かない。そういうものだと思うはず
多分こう思われてると思います。実際にそうスタッフに教えているオーナーも見てきました。
どうやっていいショップを見つければいい?
私のショップに来てくれるお客様はいろいろ調べて、値段よりもツアーの内容・質で選んでくれた方たちなのですが、皆さん選ぶのは難しかったと言っていました。
ショップは綺麗ごと書きますからね。
それでも皆さん自身がショップを選ぶ目を養わなければならないと騙されます。
北海道や長野県のように県が認定するガイド制度が沖縄にもできればよいのですが、それは当分先?いや、出来るのか?という感じです。よって、それまでは消費者として目を養うほかないのです。
それでも情報源が少ないですよね。だから少しでも手助けになればとこれからアウトドアツアーやガイドのことについていろいろとブログを書いていこうと思います。
以前、ガイドが持つべき技術として野外救急法のことを書いたブログがあります。
宜しければ是非ご覧になってください。
HABU